御曹司とのかりそめ婚約事情~一夜を共にしたら、溺愛が加速しました~
私はベリーヒルズビレッジのランドマークタワーである“ベリーヒルズビルディング”のテナント出版社“文英社”の雑誌部門に所属している二年目のOL。
ベリヒル族にはなれないけれど、どうしても憧れだったベリーヒルズビレッジで仕事がしたかった私は、文英社に就職が決まったとき、人生の運を全部使い切ったと思った。
中学の頃から小説やエッセイなどを雑誌に投稿したりして、とにかく書くことが好きだったことが功を奏したというか、本当にラッキーだった。
まさか、ここで“失恋”という代償を払わされるとは……。
絵里さんがクリームチーズの載ったクラッカーをパクリとし、指に着いた粉を擦り落とす。
「あ、そうだ。晴海ちゃんに任せたい仕事があるのよ」
「任せたい仕事、ですか?」
いつまでもこんな湿っぽい話してちゃだめだよね。と思っていたら、先に絵里さんが話の話題を切り替えた。
ベリヒル族にはなれないけれど、どうしても憧れだったベリーヒルズビレッジで仕事がしたかった私は、文英社に就職が決まったとき、人生の運を全部使い切ったと思った。
中学の頃から小説やエッセイなどを雑誌に投稿したりして、とにかく書くことが好きだったことが功を奏したというか、本当にラッキーだった。
まさか、ここで“失恋”という代償を払わされるとは……。
絵里さんがクリームチーズの載ったクラッカーをパクリとし、指に着いた粉を擦り落とす。
「あ、そうだ。晴海ちゃんに任せたい仕事があるのよ」
「任せたい仕事、ですか?」
いつまでもこんな湿っぽい話してちゃだめだよね。と思っていたら、先に絵里さんが話の話題を切り替えた。