翳踏み【完】
「すきなんです。本当は、ずっとすきだったんです……。憧れてました、ずっと。自由で、きらきらしてて、おとなで、かっこよくて、やさしくて、でもすこしお茶目で、私なんかには到底及ばない人だから、遠くから見ていられるだけで、しあわせでした」
何も言わずに見つめている。その瞳にぶつけるように呟いた。
先輩を傷つけたのだ。先輩の気持ちをなかったことにした自分が悪い。きっと先輩もあきれているのかもしれない。
それでも、もう伝えることから逃げたくない。あの女の人が誰であっても、私は私でしかない。
今ここにいるのは私と先輩だけだ。それがすべてで、いい。
「でも、わたしは欲張りだから、先輩ともっと一緒に居たいと思うようになりました。毎日一緒に居たいなとか、楽しいお話を聞かせてほしいなとか。先輩がいない生活なんて考えられなくて、もし、先輩があの女の人を好きでも、それでもやっぱり諦められなくて」
「私は、やっぱり、せんぱいがすきなんです。信じてください。……先輩の言葉を信じられなくてごめんなさい、自分に自信がなくて、勝手に先輩の気持ちまで決めつけました」
「信じられないって言ったら?」
何も言わずに見つめている。その瞳にぶつけるように呟いた。
先輩を傷つけたのだ。先輩の気持ちをなかったことにした自分が悪い。きっと先輩もあきれているのかもしれない。
それでも、もう伝えることから逃げたくない。あの女の人が誰であっても、私は私でしかない。
今ここにいるのは私と先輩だけだ。それがすべてで、いい。
「でも、わたしは欲張りだから、先輩ともっと一緒に居たいと思うようになりました。毎日一緒に居たいなとか、楽しいお話を聞かせてほしいなとか。先輩がいない生活なんて考えられなくて、もし、先輩があの女の人を好きでも、それでもやっぱり諦められなくて」
「私は、やっぱり、せんぱいがすきなんです。信じてください。……先輩の言葉を信じられなくてごめんなさい、自分に自信がなくて、勝手に先輩の気持ちまで決めつけました」
「信じられないって言ったら?」