14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
だが、優愛が弁護士として腰が落ち着いてきた頃に優樹菜から歩み寄ってきて交際が始まった。
優樹菜は売れっ子女優になっていて、会うのは深夜や家でこっそり会うくらいしかできなかったが、とても幸せで、プロポーズは優樹菜からしてきたくらいだった。
今では子供もいて幸せな家庭を築いている優愛。
しかし優愛はずっと後悔していた。
あの時、怒りにと言うより嫉妬だった。
何も愛人の話も聞かないまま決めつけてしまったことを、ずっと後悔している。
結婚式にも愛人は出席してくれなかった。
竜夜にも会わせてくれず、関りを拒否されている。
母の麗美が言っていた。
「優樹菜さん。ずっと、優愛の事がずっと好きだったようよ。でもね、近づけない人だったようで。愛人に相談していたようね」
と…。
それを聞いた優愛は、もしかして、愛人は優樹菜を引き合わせるために何かをしてくれていたのかもしれないと思った。
あのキスは…
もしかして、愛人が意地悪でも言って流れでそうなったのかもしれない。
そう思うと、罪悪感が募るばかりで。
今では全く近づけない状態のままだった。
今日のように話しかけても、愛人は冷たく突っぱねるだけなのだ。
午後からも仕事はとてもスムーズで。
愛人が特別指示しなくてもリラから聞いてきて、サッと仕事をこなしてくれる。
愛人の仕事もちょっとずつ教えると、サッと仕事をしてくれるリラ。
15時の休憩では、何も言わなくてもリラが愛人に珈琲を買ってきてくれた。
好みも話していないのに、砂糖なしのミルク入り珈琲を買ってきてくれたリラ。
お礼に愛人は、なんとなくだがリラにミルクティーを買ってきた。
ロイヤルミルクティーは、甘さもよくてホッとさせられる味である。
「有難うございます」
生真面目に仕事をしていて、笑わなかったリラがちょっとだけ笑ってくれたのを見て、愛人はなんとなく喜びを感じた。
午後からの仕事は、カツカツした仕事ではなくなんとなく軽やかに仕事が出来た愛人。
定時になり仕事を終えても、日頃の疲れを感じない愛人。
このような感じで、愛人は初めて秘書を傍に置くことになった。
面倒だと思っていた事だったが、意外に秘書がいると便利だと気づいた愛人。
いつもデスクの上は書類だらけで、たまに紛失してしまう書類もあった。
うっかり見落としていた事もあったが、リラがきてからはそれもなくなった。
一息つきたいときに、タイミングよく珈琲やお茶を入れてくれるリラ。
愛人も今まで人に気を使うことはなかったが、お返しも兼ねてリラにミルクティーを買ってきたり、時々、テナントにある高級和菓子店から限定品の和菓子を買ってきてくれたり、パテシエ限定品のケーキを買ってきてくれる事もある。