14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「ん? 」
目を凝らしてみる愛人。
ポツンと誰かが確かに立っている様子が見える。
「あんな所に人がいるのか? 」
目を凝らしている愛人だが、ポツンと見えるだけで人物像までは確かめられなかった。
少し気になりながら部屋の中に入った愛人。
「お父さん、お風呂はいるね」
竜夜が部屋から出てきた。
「ああ、もう沸いていると思うぞ」
「うん」
竜夜はそのままお風呂に向かった。
愛人はもう一度、窓からヘリポートを見た。
もう誰もいないようだ。
何となく愛人は、ヘリポートの上にいた誰かが気になった。
22時を回った頃。
お風呂も済ませて、竜夜はもう寝てしまった。
愛人は少し仕事を持ち帰ってきた事から、リビングのソファーに座りパソコンを開いて仕事をしていた。
仕事がひと段落してファイルを保存した愛人は、一息ついた。
するとズキンを胸に痛みを感じた。
一瞬だけ感じた痛みに、驚いた愛人だったがすぐに消えた痛み故に心配することはないと思った。
だが…なぜかドキドキと胸騒ぎが収まらなかった。
「なんなんだ? 」
気持ちが落ち着かない愛人は、そのまま立ち上がって玄関へ向かった。
ちょっと気分転換にと、レジデンスを出てテナント1階にある24時間営業のコンビニへやって来た愛人。
飲み物を買って、朝食にちょっと加えようとレンジでできる食材を買い込んで出てきた愛人。
そのまま歩いてくると。
時計台の所にリラの姿を見た。
「あれ? 」
リラに気づいた愛人。
時計を見ると22時40分を指していた。
こんな夜更けに一人で何をしているんだ?
そう思った愛人。
すると。
リラの傍に茂代がいるのが見えた。
茂代はリラに怖い顔をして何か言っている。
リラは視線を落として黙っている。