14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
3
翌日。
カーテンから差してくる朝日の光で目を覚ました愛人。
壁の時計を見ると6時を回った頃だった。
伸びをして起き上がった愛人は、そのまま洗面所に向かって洗面を済ませると、リラの様子を見に行った。
リラはあのままずっと眠ているようだ。
額に手を当ててみると、昨夜よりは熱が下がっているようだった。
まだ眠っているリラを見て、愛人はリビングに戻って行った。
そのままキッチンに向かい、愛人は朝食の準備を始めた。
「おはよう、お父さん」
竜夜が起きてきた。
「おはよう、竜夜」
食卓の椅子に座ると、竜夜はじーっと愛人を見つめた。
「ん? どうかしたのか? 竜夜」
「お父さん、なんだか嬉しそうだね」
「嬉しそう? 」
「うん、なんか顔がニヤニヤしているよ」
え? と、ちょっと赤くなった愛人。
そんな愛人を見て、竜夜はクスッと笑った。
竜夜が朝ごはんを食べ始めると、愛人はお粥を持って寝室へ向かった。
寝室に愛人が来ると、ちょうどリラが目を覚ました。
枕元に、お盆に乗せたお粥を置いて愛人はカーテンを開けた。
リラはちょっと眩しそうに目を開いた。
「おはよう。気分はどうだ? 」
「…はい…。だいぶん楽になりました。…有難うございます」
「少し食べれるか? お粥作ったんだが」
「あ…」
言われると、リラはお腹がぐ~っとなったのを感じた。
「少しお腹すきました…」
フっと小さく笑った愛人。
お粥を器についで、ベッドに腰かけて、れんげでお粥をすくってリラの口元に持っていった愛人。
え? と、驚いた目をしたリラ。
「まだ熱下がってないだろう? 手伝ってやるよ」
「い、いえ…自分で食べれますので…」
「なんだよ、俺が食べさせるのが気に入らないのか? 」
「そうゆうわけじゃ…」
「だったら、黙って食べさせてもらえ! 病気の時くらいしか、こんなことしてもらえねぇだろ? 大人は」
「は…はい…」
ちょっと恥ずかしそうに口をあけたリラ。
ちゃんと冷まして、お粥を食べさせてくれる愛人。
塩加減も丁度良く、出汁の味も付いていてとても美味しいお粥に、リラの表情が思わずほころんだ。
誰かに食べさせてもらうなんて…
大人になってから無かったけど、たまにはいいかもしれない。
リラはそう思った。
お粥を食べるとリラの顔色も良くなった。
「まだ大人しく寝てろ。熱が下がったと言っても、ほんの少しだけだからな」
「はい…」
「洗面所は、ここを出て左側にある。その向かいがトイレ。自由に使って構わない。何かあれば、いつでも呼んでくれ」
「分かりました…」
食べ終わった器の空を持って、愛人は寝室を出て行った。