14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
愛人は黙って立ち上がり、そのままリラの傍に行った。
「大丈夫か? 」
そっと手を差し出す愛人。
リラは素直に愛人の手を取って立ちあがった。
「有難うございます。ちょっと、びっくりしましたが大丈夫ですよ」
手を取り合い、愛人とリラは見つめ合いそっと微笑み合った。
そんな2人を見ていた茂代は、怒りに満ちた表情になり、拳を握り締めた。
「向こうに行こうか」
「はい、そうですね」
手を繋いだまま、愛人とリラは遊具の方へ歩いて行った。
「なんなの? あの態度。昨日警告したばかりなのに、全然聞いていないのね! いいわ! だったら、思い知らせてあげるから」
遠ざかる愛人とリラを見ながら、茂代は恐ろしい目をして二ヤリと口元に笑みを浮かべた…。
その後。
愛人とリラは遊具で遊んでいる竜夜と合流して、一緒に遊具で遊んだ。
久しぶりに遊具に触れた愛人は、子供の頃によく萌に公園い連れて来られたことを思い出した。
芝生で一緒にサッカーをしたり、遊具で遊んだこともあった。
何の屈託もなく笑ている竜夜を見ていると、自分もそんな時があったと思い出される。
リラも子供のように笑っている。
笑っているリラを見ると、愛人は夢で出会ったあの女の子を思い出す。
初めて夢で会った時、今のリラと同じように笑っていた…。
日が沈んで家に帰って来た愛人達は、さっそく夕飯の支度を始めた。
今夜はビーフシチューを作るため、竜夜が仕込んでくれている。
リラも一緒に作っている。
2人で楽しそうに夕飯の支度をしている姿を、ソファーに座りパソコンを見ながらチラチラと見ている愛人は、いつも以上に穏やかな表情をしている。
たった1日でこんなに仲良くなれるんだ。
俺がいなくなっても大丈夫だな。
そう思った愛人は、ちょっとだけ悲しげな目をしていた…。