14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

 竜夜はそっとリラの背中に手を当てた。

「…あったかいお花なんだね。お姉ちゃんに、ピッタリの綺麗なお花だね。なんだか、ずっとこのお花がお姉ちゃんを護ってくれている感じだよ。僕初めて見たよ、こんな綺麗なお花」

 触れられた竜夜の手はとても暖かく。
 それでいて優しい…。


「…このお花は蓮って言うの」
「蓮? 」
「そう。お花の図鑑を見ていて、気に入ったから選んだの」
「へぇーそうなんだ。じゃあ、このお花が傷つかないように洗うね」


 無邪気に笑って、竜夜はリラの背中を丁寧に洗ってくれた。

 引かれてしまう…嫌われてしまう…。
 そう思ったけど。
 綺麗なお花って言ってくれるなんて…。

 竜夜の優しい言葉に、リラは嬉しくて胸がいっぱいになった。

 
 一通り洗い終えると。

 竜夜とリラは一緒に湯船に浸かった。


「良かった、お姉ちゃんと一緒にお風呂は入れて。お父さん、一緒に入ってくれなくなってしまったんだ。洗うのを手伝ってくれる時はあるけど、シャツは着たままだし。こうやって、湯船に入ってくれる事もないんだ」
「そうだったの」

「あのね。お姉ちゃんと初めて会った時なんだけど。お姉ちゃんの後ろに、綺麗なお花が見えたんだ。そのお花、背中にあるお花と一緒だったよ」
「そうなの? 」

「うん。だからあの時、僕お母さんって呼んだんだ。僕のお母さんの背中には、綺麗なお花があるって見えていたから」
「そう…」

「もう僕に何も隠さなくていいでしょう? 綺麗なお花見たもん」
「そうだね。…有難う」


 ギュッとリラは竜夜を抱きしめた。





 お風呂から出ると、竜夜はもう寝ると言って部屋に行って寝てしまった。


 入れ替わりにお風呂に入った愛人。


 リラは愛人がお風呂に入っている間、ずっと何かを考えこんでいた。
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