14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「隠れなくてもいいよ、笹野さん。玄関を入ってきたとき、気づいていたよ。笹野さんの履いている靴が、玄関にあったから」
あ…
しまった…。
靴まで気が回っていなかった。
少し恥ずかしそうに、リラは愛人の後ろから出てきた。
「笹野さん。とても感謝しているよ、愛人が随分と優しい顔になったから。笹野さんが来てくれたおかげだって、思っていたから」
「いえ、私は…」
「心配しなくていい。私は、何も反対しないから。竜夜君も、喜んでいるようだからな」
そっと萌は竜夜の頭を撫でた。
「ねぇお爺ちゃん。一緒に夜ご飯、食べて行って。今日はね、僕が得意のカレー作ったんだよ」
「おお、そうなのか。いいのか? 一緒に食べても」
「うん、沢山の人と食べると美味しいもん」
萌の手を引いて、竜夜はリビングに向かった。
「ごめん…突然、父さんが来てしまって」
「いえ…。行きましょうか」
愛人とリラもリビングに向かった。
結局。
萌も一緒に囲んで夜ご飯を食べる事になった。
リラは緊張しているようだったが、竜夜が話しを盛り上げてくれて、楽しい夕食のひと時を過ごせた。
夕ご飯が済んで萌が帰ことになり、愛人は途中まで送る事にした。
特に会話を交わす事なく歩いていた愛人。
「あのさ…」
立ち止まって、愛人は萌を見た。
「どうした? 」
「いや、さっきの話だけど…。聞いてみようと思う…」
「本当か? 」
「ああ。…ずっと諦めていたけど。…もっと、この目で見ていたい事があるって気づいたから」
「分かった。さっそく、連絡しておくから」
「…うん…」