14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
交差点まで来ると。
「ここでいいぞ。今日は、話が出来て嬉しかった」
「俺も…」
「愛人、自分には嘘をついてはいけない。お前には、護るべき家族がいる事を忘れるな。私は、いつでも味方だ。困った時は、いつでも頼ってくれて構わないからな」
「…ありがとう…」
交差点を渡って帰ってゆく萌を見送って、愛人は帰って行った。
愛人がレジデンスに戻って来ると。
偶然にも優愛が仕事から戻ってきたところだった。
優愛を見た愛人は、木陰に隠れて優愛が過ぎ去るのを待っていた。
優愛がレジデンスに入ったのを確認して、愛人もレジデンスへ入って行った。
愛人がエレベーターのボタンを押さそうとした時。
「愛人」
後ろから声がして、びっくりして振り向いた愛人。
声をかけてきたのは優愛だった。
「なんだよ、そんなに驚くことないだろう? 」
シレっと、愛人は視線を反らした。
「俺、優樹菜と離婚することになったんだ」
え? と、驚いた目をした愛人に、優愛は痛い笑みを浮かべた。
「天罰だよな。俺が今までしてきた事に対して。ずっと、お前の事悪者にして。優樹菜と結婚したんだから、いつか崩れても当然だ」
「…なんで、俺にそんな話しするんだ? 」
「いや、もういい加減仲直りしたいって思っているんだ。お前が、優樹菜の事でずっと俺の事恨んでいるのは判っている。お前の話し、ろくに聞こうともしないで酷い事した事。本当に、すまなかったと思っている…」
いつもの優愛とは違う声に聞こえた。
優しくて本心を言っている。
優愛の心の声が聞こえない。
無心であると言事は、本心を言っている…。
「優樹菜が言っていたが。お前…目が悪くなったのか? 」
「いや…別に…」
「優樹菜の父親は、金奈総合病院の副院長だ。だから、お前の事聞いたって言ってた」
「そう…」
「俺に何かできないか? 俺のせいだろう? お前の目が見えなくなったのは」
「兄貴のせいじゃない…」
ポンと、優愛は愛人の肩に手を置いた。