14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「もういい。俺が悪かったのは事実だ、だから何か力になれる事があるならいつでも言ってくれ」
複雑そうな顔をして愛人は何も言わなかった。
「ただいま」
愛人が家に帰ってくると、竜夜とリラがお風呂に入っていた。
楽しそうに話している竜夜とリラの話し声を聞いて、愛人は自分も一緒に加わりたいと思った。
「竜夜、父さんも一緒に入っていいか? 」
湯船に浸かっていたリラは愛人の声にびっくりした。
「いいよ~でも狭くなるよ」
体を洗っていた竜夜が言った。
服を脱いで愛人が入ってきた。
「お父さん、ここに座って。僕、背中洗ってあげるから」
愛人はちょっと戸惑った顔をしたが、素直に竜夜の言う通りにした。
椅子に座った愛人。
「あ…」
竜夜が嬉しそうな声を上げた。
「お父さん、かっこいいいね。背中の龍」
そっと、愛人の背中の龍に触れた竜夜はとても嬉しそうな顔をしていた。
怖くないのか?
そう思った愛人は、ちょっと恐る恐る竜夜を見た。
「僕ね、お父さんの龍。ずっと見えてたよ。お父さんが、悲しそうな時は龍も悲しそうだったよ」
「知っていたのか? この事」
「うん。お父さん、隠していたけど。時々、シャツから透けていたし。お父さんが着替えるところ、ちょっと見た事があったから」
「そうだったのか…」
「もしかして、この龍を僕に見せてはいけないって思っていた? 」
「ああ…怖がるんじゃないかと思っていたんだ…」
「それで、一緒にお風呂に入ってくれなくなったんだね」
「ごめんな…」
愛人の背中を洗いながら、竜夜は笑っていた。
「僕、お父さんの事大好きだから。どんなお父さんを見ても、嫌いになんてならないよ。それに、怖くないから大丈夫だよ」
愛人はホッとした表情を浮かべた。