14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
その後。
リラは先に上がって、竜夜と愛人は一緒に湯船に浸かっていた。
久しぶりに一緒に入った竜夜が、随分大きくなったと思った愛人。
浴槽に2人はいると、お湯の量がかなり増える。
「ねぇお父さん。お姉ちゃんの事、好き? 」
「な、なんだ突然」
「ううん。お姉ちゃんが、お母さんになってくれたらいいのにって思ったから」
「そうか…。気にいったのか? 」
「うん、だってお姉ちゃん。本当のお母さんみたいだもん」
「お母さんか…」
今まで考えもしなかった。
だが、竜夜くらいの年頃ならお母さんが欲しいと思っても不思議ではない。
今まで口にしなかったのは、ずっと我慢していたからかもしれない。
愛人はそう思った…。
お風呂を出て。
愛人はベランダでタバコを吸っていた。
綺麗な星空を見ていると、初めて夢でベルリラに出会った時を思い出した。
まだ少女のベルリラは、何の屈託もなく笑っていて、一面に広がる星空の中を一緒に歩いた事もあった。
落ちてしまうのではないかと心配した愛人だが、普通の地面を歩いている感覚で歩けたことからこれは夢なんだと思ったのだ。
名前も名乗らず、何度も会っていたのに自然と惹かれていった…
あの結ばれた日に、初めて名前を名乗って。
名前を聞いたら気持ちが押されきれなくなり、夢なんだからと思っていたが…。
あの夢が現実だとしたら。
竜夜の母親はベルリラとしか考えられない。
煙草を吸い終えた愛人は部屋の中に戻り、パソコンを消して寝室へ向かった。
寝室ではリラがぐっすり眠ている。
リラの寝顔を見ていると、愛人は愛しさが込みあがり抱きしめたくなる…。
「もしかして…あんたが、ベルリラなのか? 」
小さな声で愛人が言った。
眠っているリラは何も答えない。
それでも愛人は愛しさが込みあがってきて胸がいっぱいになった… …。