14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

「何を言い出すかと思えば…。地球人じゃない? だったら何? 宇宙人とでも言うの? 面白い人ね。あんた、頭おかしいんじゃないの? そんな事、ありえないわ! 」

 茂代は完全に笑い飛ばしていた。
 
 そんな事があるはずがない、ばかげている。
 そう思った茂代。

 だが…。


「今の話し、本当の事だよ! 」

 声がして振り向くと、そこには竜夜がいた。


「竜夜君? どうして…? 」

 竜夜はリラに駆け寄り、ギュッと抱き着いた。


「僕には何でも分るよ。…お母さんが、苦しんでいる時も、一人で何でも抱え込んでいる時も。今日は、帰ってきてから様子がおかしかったから様子を見ていたんだ。…ごめんね、勝手に来ちゃって」

「ここは危険だから、帰りなさい」
「嫌だよ! 僕の事を勝手に連れて行った、あのおばさんの事許せないもん! 」

 竜夜は小さなコンパクトのような鏡を取り出した。

「ここに、おばさんのやった事が全部写っているよ」

 竜夜は鏡を茂代に向けた。
 
 すると…

 鏡から映し出されたのは、茂代がベビーカーの中から赤ちゃんを抱きあげ逃げ去る場面が写しだされた。
 そしてタクシーに乗って、逃走してゆく姿が…。


「な、なんなのこれ…」

「これ、おばさんの記憶だよ。悪い事をして、その事がちゃんと証明されないと証拠がないって大人は言うんだよね? でもね、人の頭の中には「記憶」があるでしょう? その記憶には、自分のやった事がきちんと残っているんだよ。自分では忘れて消しているつもりでも、頭の中にはちゃんと残っているんだよ。この鏡は、その事を映し出してくれるんだ」

「…そんなバカな…」

「これは、僕が産まれたとき。お母さんが、ずっと身につけておいてくれた鏡なんだ。だからここには、お母さんが僕の事を大切に育てていてくれた事も写っているよ」

 パチッと場面が変わると。

 そこには8年前のリラ(ベルリラ)が、まだ生まれて間もない竜夜を大切そうに抱っこしている場面が映し出された。
 リラ(ベルリラ)の傍には、とても綺麗で清楚な女性がいて、その女性は竜夜とそっくりな顔をしている。
 遠目で見ているちょっと渋めの紳士は、竜夜と同じ髪の色をしていて優しく見守っている感じがする…。

 
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