14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「ご心配なく、必ず幸せにします。自分も、生まれて初めて心から愛した人ですから」
「それを聞いて安心しました。では、君にこれをプレゼントしますね」
スッと差し出されたのは、腕時計のような金色のブレスレッド。
「これは、私が開発しました。この地球と我が星を繋ぐことが出る唯一の通信機です。困ったときは、いつでも呼んで下さい。力になりますから」
そう言って、ティンケルはそっと愛人にブレスレッドをはめてくれた。
そのブレスは重みを感じたが、心地よい重みだった。
「あ…」
竜夜がジュリアンヌの腕から降りて、入り口に駆け寄って行った。
「よかった、来てくれたんだね」
竜夜が引っ張って連れて来たのは…萌と麗美だった。
「父さん…母さん…どうして…」
驚いている愛人だが、その目は潤んでいた。
ちゃんと礼服に身を包んでいる、萌と麗美。
「愛人。…おめでとう…すまなかったね、邪魔をしたようで」
「竜夜君が昨日知らせに来てくれたの。お父さんが、結婚式挙げるから。絶対に来てねって」
また竜夜が…。
潤んでいる目から涙が溢れそうになり、愛人は顔を背けた。
「愛人…ごめんなさいね、貴女にずっと辛い思いばかりさせてしまって…」
愛人は背を向けたまま黙っていた。
泣いている顔を見られたくなくて…。
「私、4人の子供を育てる事がいっぱいいっぱいで。心に余裕がなかったの。せっかく愛人が手伝ってくれたのに、心の底では不満を言っていた。そんな気持ちが、貴方に伝わっていたんだと思うの。本当にごめんなさい母親として、失格だと思っているわ…」
愛人は小さく首を振っていた。
そうじゃない…
その気持ちは分かっていたから…。
そう言いたくても言葉にできない愛人…。
「でも、本当に良かった。愛人が幸せになってくれて。こんなに素敵な人を、選んでくれるなんて…もう…何も言うことはないわ…」
想いが溢れて、麗美は泣き出してしまった。
そんな麗美を萌がそっと慰めた。