14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
「おやおや、オメデタイ席ですよ。悲しい涙は終わりにしませんか? 」
ティンケルがそっと萌と麗美に会釈をした。
「初めまして、ベルリラの父、ティンケルと申します」
「母のジュリアンヌです」
「初めまして、愛人の父の萌です」
「母の麗美です」
「嬉しい事ですね。こうして、両家の両親が揃う事は。生きていれば、誰にでも嫌な事の1つや2つあるでしょう。私も、娘を妻に任せっきりで旅をしていた、いい加減な父親ですから偉そうに言えませんが。ここで、こうして集まれたのも。きっと、もう過去は見ないで未来を見る事を神様がお導き下さった事だと思います。ここに、こうして来たのは。みんな、あなた達を心から祝福する気持ちが一緒だからです。それだけは、信じて下さい」
ティンケルが上手くまとめてくれた。
リラはそっと愛人の肩に手を置いた。
背を向けている愛人だが、分かってくれているようだ。
「良かった」
竜夜は大満足の笑みを浮かべていた。
その後。
愛人とリラのケーキカットを、萌と麗美、ティンケルとジュリアンヌは見守って行われた。
2段式のケーキで、形としてはオフィスビルをイメージして作られているようだ。
2人でケーキカットも無事に済ませて。
少し大きめに作られていたケーキだった故に、萌と麗美、ティンケルとジュリアンヌが持ち帰る分まで十分にあった。
せっかっくなので、両家揃って写真を撮ろうという事になり。
竜夜を真ん中に挟んで、愛人とリラ、萌と麗美、ティンケルとジュリアンヌ。
両家揃って写した記念写真。
誰にも言えないが、これは地球と宇宙を繋いだ大切な一枚となった事は間違いない。
結婚式が終わり、夕刻になるとティンケルとジュリアンヌは帰って行った。
愛人にいつでも呼んでくれと、ティンケルは言い残して言った。
渡したブレスレッドは、地球とアクア星を繋いでいる大切な絆である。
ティンケルとジュリアンヌが帰った後、萌と麗美は愛人の家に立ち寄った。
週明けに手術を受ける話をすると、麗美は手伝いに来ると言い出した。
だが学人はリラに頼んであるから心配しなくていいと言った。
「でもよかった。腕のいい先生が見つかって」
「ああ、再会した親友に話したら。是非って言われたから。竜夜君の為にも、大切な奥さんの為にも愛人が元気でいてくれることが一番だからな」
まだ素直に話せない愛人だが。
少し遅い時間まで萌と麗美がいてくれて。
愛人は久しぶりに麗美とも笑って話せるようになった。
手術の事は気が重く感じるが、家族と和解できたことが何より安心だった。