14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
9
いよいよ手術日の朝が来た。
いつものように朝ご飯を済ませて、学校へ行く竜夜に愛人は。
「お父さん、今日から暫くいないけど。お姉ちゃんがいるからな」
「うん、大丈夫だよ。お爺ちゃんだって、お婆ちゃんだっているもん」
「そうだな」
「早く帰ってきてね、お父さん。そうじゃないと、僕もお姉ちゃんも寂しいから」
元気な笑顔を向けてくれた竜夜。
その笑顔を見て愛人はホッとしていた。
リラと竜夜を見送って、愛人は病院へ向かった。
何も心配する事なく、ただこの先にある光だけを信じて…。
愛人の手術は午後からで、終わるのは夕方になると予測されていた。
麻酔から目が覚めるのはおそらく、明日の朝かお昼くらいではないかと言われている。
目が覚めた時に傍にいて欲しいと愛人に言われたリラ。
手術中は何もできない為、仕事に来て萌の秘書として傍についていた。
仕事をしながらも、どこか心配そうな顔をしているリラ。
そんなリラを萌は特に言葉を交わす事はないが、そっと見守っていた。
定時になり仕事が終わると静かに帰ってゆくリラ。
萌は帰り行くリラの後姿そっと見送っていた。
一度帰宅して夕飯の支度をしたリラは、萌が来てくれてから病院に向かった。
外科病棟でも個室で、どこかのスイートルームのようにとても豪華な病室に入院している愛人。
手術の為、髪は短髪に切られてしまい今は包帯がまかれている。
青いパジャマを着てまだ麻酔が聞いている愛人は眠ったままだ。
目が覚めるのは明日になると医師が言っていた。
愛人の表情はとてもお穏やかで、何だか夢を見ているようだ。
消灯時間間際にリラがやって来た。
まだ麻酔から覚めない愛人の傍に座って、寝顔を見ているリラ。
「いつもこうやって、愛人さんの寝顔を見ていたなぁ。ぼんやり目を覚ました愛人さんが、夢? って聞いてくるから、いつも夢だよって答えて…そのまま遊んでいたんだけど。今こうして、一緒にいられるなんて…」
床頭台の灯りだけが着いている中。
窓の外を見つめたリラ。
レースのカーテン越しに見える夜景は、星空が綺麗で月も輝いている。
「…契約もあと5日だね。…」
寂しげに目を細めたリラ…。
それからずっとリラは、眠っている愛人を見ていた。
目が覚めた時に一番最初に顔が見たいと言われたから、いつ愛人が目を覚ましてもいいようにずっとみていようと思ったリラ。
寝顔を見ていると、時々笑う愛人。
楽しい夢でも見ているのかな?
ずっと見ていても飽きない愛人の寝顔に、リラはずっと見惚れていた。