14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
契約結婚から13日が経過し,明日で14日の契約が切れる。
リラは竜夜に気づかれないように、愛人の家を出て行こうと決めていた。
竜夜は学校に行っていていないし、仕事は休みにしてるから誰にも気づかれることはないと思っていたリラ。
最後の夜だからと、リラは竜夜と寝る事にした。
赤ちゃんだった竜夜がここまで成長できたのは、みんな愛人のおかげだ。
男の人が一人で子育てをするなんて、簡単にできる事じゃないのに。
愛人は不自由な目でそれをやって来た。
両目がハッキリ見るようになった愛人。
竜夜もしっかりしているから、2人でもやってゆけるとリラは思っていた。
アクア星に帰ろう…。
地球にいるとまた追いかけてしまうから。
戸籍がない私が本当の母親になれることはないし、入籍もできないのだから…。
竜夜を抱きしめて寝ながらリラはそう決めていた。
翌日になり。
いつも通り朝ご飯を作って竜夜を送りだしたリラ。
時刻は8時を回っていた。
アクア星に帰るのは、夜中しかできないけど明るいうちに出て行ってどこかで時間をつぶそう。
地球に来たときは真っ暗な深夜だったけど、明るい風景を覚えておくのもいいだろう。
まとめる荷物はそんなにないけど、愛人が買ってくれた服は置いて行った方がいいのだろうか?
どの服もリラにピッタリ似合っていて驚いていた。
イメージして買ってくれたのか、それとも愛人の好みで買ったのかは不明だったが。
下着もとっても可愛くて…。
思い出すだけでも短い14日間がまるで数年間のように感じる。
好きな人に会いたくて地球に来て。
子供を誘拐した人を見つけるためにまた地球に来て。
愛する人と一緒になれても、結局、違う星の者同士が結ばれることはできなかったとリラは痛感していた。
最小限の荷物だけまとめたリラ。
時刻は9時を回っていた。
オフィスビルも仕事が始まり歩く人も少なくなってきた。
今が出て行くチャンスだ。
そう思ったリラは、バッグを手に取って玄関へ向かおうとした。
すると…。
カチャッ…。
玄関の鍵が開いた。
え? 誰?
驚いたリラは、そのままリビングの床に座り込んでしまった。
足音が近づいてきて。
リビングのドアが開くと…。
入ってきたのは愛人だった。
「あれ? どうしたんだ? こんな所に座り込んで」
スウェット姿で、頭にはニットの帽子をかぶっている愛人。
まさか病院から抜け出してきたの?
驚いた目のまま、リラは愛人を見ていた。
愛人はリラに歩み寄り、そっと抱きかかえソファーに座らせた。
「驚かせたか? すまなかったな。ちょっと外出させてもらったんだ、すぐ近くだから許可もらえたんだが」
「…いえ…」
「大切な話を、今日しなくてはならないと思って戻って来たんだ」
大切な話し。
そっか、今日で契約が終わる事知っていたのか…。
リラはそう思った。