14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~
愛人は小切手をテーブルの上に置いた。
その小切手には10憶の金額が書かれている。
「これは、約束の契約金。受け取ってくれるか? 」
10憶…。
そんなお金、もう持っていても意味ないけどケジメだよね。
「分かりました。そうゆう契約でしたから、お受け取りします」
ちょっと震える手で、リラは小切手を受け取り鞄にしまった。
「これで契約は終わりだ。だから…」
「お世話になりました。私、出て行くので」
愛人の言葉を遮るように、リラが言った。
「ちょっと待て。話は最後まで聞けよ」
「いいえ。契約結婚だって言われましたから。今日は、その契約が終わる日ですから」
「ああ、そうだ。だから約束通り、ちゃんと清算した」
「じゃあ…もう…」
泣きそうなリラを見て、愛人は胸がズキンと痛んだ。
「あのな。勝手に先を決めないでくれるか? 退院したら、ちゃんと話したいと言っただろう? 」
「確かに聞きましたけど…」
「ごめん、目が覚めたばかりだったから。日にちが曖昧だったんだ。だから、今日話したくてこうして来たんだ」
そう言って、愛人は袋から一通の手帳を取り出してテーブルに置いた。
「これ、俺の兄貴から結婚祝いにって。あんたに渡してくれって、言われたから」
なに?
テーブルに置かれた赤い手帳を見つめたリラ。
とりあえず手帳を手に取って見て、リラは中を見てみた。
「なに? これ…」
手帳はパスポートだった。
そのパスポートには「笹野 莉羅(ささの・りら)」と書いてあり、生年月日も書いてあり、リラの社員証と同じ写真が添付されていた。
「それは、ポスポートだ。身分証明になる、大切なものだな」
「どうして? 」
愛人はパスポートを見て、フッと小さく笑った。
「兄貴の職業柄の手段使ったんだな」
「え? どうゆう事ですか? 」
「兄貴は弁護士だから。法律の事は知り尽くしている。あんたがここで、堂々と暮らせるように戸籍を作ってくれたんだと思う」
「戸籍を作る? そんな事…」
「俺は間接的にしか聞いていないが。世の中には、事情があって戸籍を売る人もいるらしい。まぁ、それを悪用する人もいて海外逃亡してしまう人なんかもいるけど。戸籍があれば、俺とあんたはちゃんと入籍できるじゃないか」
そんな事まで…
信じられない…。