14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

 戸籍を手に入れたリラは、正式に笹野リラと言う名前になった。


 1週間後に愛人が無事に退院してきて、数日間自宅療法になった間に。 

 まず初めに市役所に行き、戸籍謄本を取り寄せた。

 笹野リラ。
 出身は北の地になっていて日本人と外国人の間に生まれたハーフになっていた。
 父が日本人で母が外国人だが、2人共既に他界していて親族もみんな早期に他界してりることからリラの身内は誰もいない事になっている。
 現在26歳になっていて、リラの実年齢と同じだった。

 戸籍謄本を取り寄せ、その後、愛人と入籍手続きを行った。
 無事に笹野リラから森沢リラになった事から、竜夜とも戸籍上は継母になってしまうが本当の親子になれた。
 笹野リラと言うのは、リラが地球に滞在するために作り出した名前だったが、その名前が役に立つとは驚きだった。


 
「そうですか。それは良かったですね。ベルリラが地球人になってしまうのは、寂しい気がしますが。幸せならそれでいいです」

 ブレスレッドでティンケルと会話している愛人。

「はい、まさか兄貴があそこまでしてくれるとは思っていなくて…」
「それですが …実はですね、貴方のお父様とちょっとお話ししたんですよ。ベルリラが、地球人ではないとね」
「え? いつの間に? 」

「まぁ、まぁ。男同士の話しですよ。それで、お父様からお兄様にお話が伝わった…そんな感じだと思われますよ」
「そうゆう事か…」

「どちらにしても、君達の家族はとっても深い絆で結ばれているのですね。絆が深い故に、求めるものも深く。すれ違ってしまう事も多いかもしれません。それだけ、愛が深いのでしょう。竜夜君を見ていたら分かりますよ」
「はい、竜夜にはずっと支えられてきました。感謝いっぱいです」


「ちょっと! 貴方! 」

 後ろからジュリアンヌの声が聞こえた。

「おおっと、妻が呼んでいますね」

「どこで遊んでいるのです? さっさと、この書類に印鑑を押しなさい! 」

 あの清楚な顔からは想像できないくらい、厳しい声を上げているジュリアンヌに、愛人は驚いていた。

「やれやれ、ずっと自由に遊んでいましたからね。すっかり妻には頭が上がりませんねぇ。では、これ以上怒らせる前に失礼します」

 ニコっと笑って手を振って、ティンケルは通信を切った。

 愛人は何となく、ティンケルとジュリアンヌの夫婦像がイメージで来てしまった。
 もしかしたら、リラも恐妻になるかもしれない…なんて思ってしまった。
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