14日間の契約結婚~俺様御曹司の宇宙最強の恋物語~

 それから…。
 愛人と入籍したリラは退職して専業主婦になった。

 愛人の秘書は萌の秘書と同じ人で男性に依頼した。
 秘書専門の派遣より来てくれた男性秘書は、とても落ち着いた感じで丁寧に仕事をこなしてくれる、社長と副社長を兼任していてもミスもなく順調に仕事をしてくれる優秀な秘書である。


 手術で両目がしっかり見えるようになった愛人は、以前よりとても優しい表情になり、社員にも優しい笑顔を見せてくれるようになった。
 その成果なのか、森沢コンサルティングの業績はますます伸びて行き売り上げも右肩上がりで伸びていた。
 仕事もますます忙しくなり、愛人は定時で帰れる日が少なくなってしまい、帰りが深夜を回る事も多くなってしまった。
 その為、休みの日は竜夜との時間を優先して一緒に遊んで買い物したりご飯を作ったりしている。
 リラが専業主婦になった事から、家事は任せられるため、愛人の負担は随分減り仕事に専念できている為、日々の流れは順調に進んでいる。

 そんなリラだが…。

 母子手帳を見て嬉しそうに微笑んでいるリラ。

「なんだ? どうしたんだ? 」

 愛人が傍に来て母子手帳を覗き込んだ。

 母子手帳は真新しく。
 現在3ヶ月の経過が書かれていた。

 リラは退職してから妊娠が発覚した。
 まさかと思ったが、病院に行くと8週目と言われ心拍も確認して順調と言われた。

 9週目に入り母子手帳をもらって来たリラは、竜夜の時のことを思い出して懐かしんでいた。

「地球の母子手帳も、変わらないんだなぁって思ったの。表紙は違うけど、書かれる経過は同じだって思って。何だか懐かしかったの」
「そうだったのか。今度は、どっちが来てくれるんだろうな? 」

「そうね、どっちでもいいけど。先生が、もしかしたら双子かも? って言っていたけど」
「え? そうなのか? 」

「来週の検診でハッキリ分かるらしいわ。どうやら2つ見えるみたいなの」
「双子かぁ…。俺も双子だから、ありうるかも。でも、竜夜は一度に2人のお兄ちゃんかぁ」

 まだちょっとしか膨らんでいないリラのお腹に、そっと触れた愛人。

「今度はちゃんと着いているから、安心しろ」
「うん」


 新しい命が来てくれて今度は双子?
 ますます楽しくなりそうな予感がする。



 一方。
 逮捕された茂代だが、あれから刑が決まり殺人未遂で禁固10年が確定している。
 他にも未成年猥褻などが重なり、ちょっと重くなったようだ。
 それでも茂代はとても穏やかな顔をしていて素直に刑を服している。

「有難う、小さな宇宙人さん…」

 時々空を見上げて茂代はそう呟いている。
 刑期を終えたら北の地に行き、農業でもやろうかな? と話しているようだ。


 優愛の方も仕事が順調で、優樹菜と優里亜とも前よりずっと仲良くなり、家族で出かける事も増えてきて愛人との交流も増え優里亜と竜夜はとても仲が良くて、優里亜は竜夜と結婚すると言っているようだ。
 
 ずっといがみ合っていた優愛と愛人は、今ではすっかり仲良し兄弟になりお互いの家族が協力している。
 そんな優愛と愛人を、萌も麗美も安心して見ていた。

 俺様御曹司の愛人が突然シングルファザーになり、ずっと一人で頑張ってきたが。
 闇が晴れて光が見えたことから未来は明るくなったようだ。
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