極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
最終章 私以外を見るのは契約違反です
「澪音、今日は予定がないなら出かけるぞ。
盛実、澪音の口座に……」
「だから。
それはもう、いいんです」
朝食の時間、古渡さんの言葉を実行に移そうとしている盛実さんを止める。
「古渡さんを友達くらいには思ってる、って言いましたよね?
友達と出かけるのに、お金を取ったりしません」
「友達……でも、いいか。
少し前進だしな」
にぱっと彼は笑い、オムレツを口に運んだ。
それにツキン、と針を刺されたように胸の奥が鋭く痛む。
――友達。
それは、古渡さんを納得させるというよりも、自分に言い聞かせていた。
この感情はただの友愛、だって。
私は夢が叶うまで恋などしないと誓ったではないか。
「今日はどこへ行くんですか?」
「リノアの店だ。
少し遅くなったが、服ができたそうだ」
「それは楽しみです」
自分の気持ちに気づいて一週間。
古渡さんは私の本心に気づいていない。
盛実、澪音の口座に……」
「だから。
それはもう、いいんです」
朝食の時間、古渡さんの言葉を実行に移そうとしている盛実さんを止める。
「古渡さんを友達くらいには思ってる、って言いましたよね?
友達と出かけるのに、お金を取ったりしません」
「友達……でも、いいか。
少し前進だしな」
にぱっと彼は笑い、オムレツを口に運んだ。
それにツキン、と針を刺されたように胸の奥が鋭く痛む。
――友達。
それは、古渡さんを納得させるというよりも、自分に言い聞かせていた。
この感情はただの友愛、だって。
私は夢が叶うまで恋などしないと誓ったではないか。
「今日はどこへ行くんですか?」
「リノアの店だ。
少し遅くなったが、服ができたそうだ」
「それは楽しみです」
自分の気持ちに気づいて一週間。
古渡さんは私の本心に気づいていない。