極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
それをいいことに、私は彼を欺き続けている。

朝食のあと、店に寄ってもらって手土産のお菓子を調達し、リノアさんのお店に向かう。
店は一応、オーナーといえどシフトが決まっている。
白井さんの助手として働いているので、急な休みとか困るもんね。
私は古渡さんの休みにあわせて土日祝日が休みの場合が多い。

「ようこそいらっしゃいました、古渡様」

店では今日も、リノアさんが出迎えてくれた。
奥の部屋でできあがった服を試着する。

「どれも素敵です!」

私の希望を兼ねつつ、かつ彼女らしいデザインの服は、全部が素晴らしかった。

「喜んでいただけて嬉しいです」

ぽっ、と頬を赤らめるリノアさんはとても可愛らしい。
こんな彼女に古渡さんが惚れないわけはないと思うし、そもそもどういう関係なんだろう。

「さすが、リノアだな」

喜ぶ私の横で、古渡さんは鼻高々だ。
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