極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
そっと見渡した機内には、ダイニングテーブルやテレビはもちろん、ベッドになる長椅子まで完備されている。
今日、空港に来て、買ったんだ、なんて子供が玩具を自慢するみたいに言われたときはあたまがくらくらした。
最近はもうかなり、一秋さんの感覚に慣れてきていても。

「向こうにいる間に、KOWの営業所開業準備もできるしな。
壁紙やカーテン、家具の買い付けを、古渡を通じてやるのは面倒くさかったんだ。
直接できるようになれば楽になる。
やることがいっぱいで忙しくなるぞ」

「無理はしないでくださいね」

甘えるように彼の身体へ自分の身体を預ける。
インテリアデザインの勉強をしたいのは確かだが、それ以上に私と一緒にいるためという理由が大きい。
彼はいいことずくめだと喜んでいるが、私が無理をさせている。

「無理なんてしてないぞ。
俺は澪音のためならなんだってする。
……でもわるいな、一年の期限付きで」
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