極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
披露宴の招待客は数多くこなしてきたが、自分が主役になるとこんなに疲れるだなんて知らなかった。
いや、バレないように演技していたから疲れたのか?

「疲れたときはスイーツ!」

ルームサービスでもなんでも、好きにしていいって言われていた。
だからといってすぐにそれに乗っかるのはあれだが、今日は好きでもない相手とのキスとか我慢したんだ。
ご褒美はあっていい。

「うわっ、美味しそう……」

少しして頼んだケーキとお茶が運ばれてきた。
このホテルご自慢の、一ピース三八〇〇円する、王道の苺ショート。
ずっと気になっていた、日本でも指折りのパティシエが作るケーキはどんな味がするんだろうと。

「まずは写真撮影……」

携帯で角度を変えて何枚も写真を撮る。
いつもなら専用のカメラで撮るが、今日は持ってきていないので仕方ない。

「では、実食」

そっとフォークを入れ、一口。

「……!」

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