極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
それはいい、それはいいが、今日、結婚式を挙げたばかりの男が、キスマーク満載で帰ってくるのはさすがにどうかと。

「もう結婚したんだからオマエたちとは遊べない、と納得してもらってきた」

「あー、そう……デスカ」

ネクタイを緩め、私が飲みかけの瓶に彼が口をつける。
彼はこれで万事解決、って感じだけど、本当にそうなんだろうか。

「風呂入ってくる。
澪音はもう入ったのか?」

「入りました」

「そうか、残念」

ジャケットをソファーへ脱ぎ捨て、彼が浴室へ消えていく。
残念、って一緒に入る気だったんだろうか。
式を挙げたばかりだというのに、即離婚したいのか、あの人は。

古渡さんも帰ってきたし、朝が早かったのあって眠くなってきていたので、ベッドへ移動する。

「……ねむ」

あくびをしながらベッドに潜り込んだ……ものの。

「へ?」

ベッドに揺れを感じ、目を開けたら古渡さんの顔が見えた。
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