極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「……なに、やってんですか」
この、のしかかられた体勢は、どう考えても本気で襲われる何秒か前。
「なにって、初夜に決まってるだろうが」
私の意思を無視して、彼の顔が近づいてくる。
「契約違反ですよ」
「関係ないな」
押し留めようとした手は、簡単にベッドへ縫い留められた。
無理矢理キスしようとする彼に、なにかがぷちんとキレる。
「契約違反だって言ってるでしょ!」
勢いよく、股間めがけて膝を引き上げた。
が、残念ながらこの身長差では彼の急所には届かない。
「バカ、離せ!
契約破棄だ!
いますぐ全部、お義母さんにバラしてやる!」
ジタバタと暴れたら、彼の手が緩んだ。
その隙にベッドの隅まで待避する。
「ははっ。
ははははっ」
「……へ?」
さらに襲ってくるなら勝てなくても、その顔を引っ掻いて一矢報いてやる!