極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
「酷いことを言ったと思います。
あやまれるならあやまりたい。
……でも、もう遅いから」

大きくなって、あの日の残酷な自分の言葉に気づいた私は、父に素直に甘えられなくなった。
それでなくても母が亡くなったのは、飛んだ私の帽子を追ってだと聞いていたから。
きっと父は私を恨んでいる。
その後ろめたさと、反抗期も重なって父とは口もきかなくなった。
私の大学入学と同時に父が再婚したものあって家を出たっきり、一度も帰っていない。

「澪音はやはり、いい女だな」

いつのまにか起き上がった彼の手が私の顎にかかり、上を向かせる。

「本気でオマエを、俺のものにしたい」

私を見つめる瞳は、火傷しそうなほどに熱く燃えていた。
目を逸らせばいいだけ、わかっているのにその瞳に魅入られ、視線はほんの僅かも動かせない。

「他の女はいらない。
澪音だけが欲しい」

ゆっくりと彼の顔が近い付いてきて、目が閉じられる。

そして――。
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