極上御曹司はかりそめ妻を縛りたい~契約を破ったら即離婚~
一杯が飲み終わった頃、ようやく古渡さんの顔が上がる。
しかしそれでもまだ、半分くらいしか目が覚めていないようだった。

「洗顔をお済ませになってください」

「……わかった」

ベッドを出たものの彼の足取りはどこか危なく、はらはらしてしまう。
でも盛実さんがついていったから大丈夫だろう。

「なんか意外」

「そうですか?
旦那様は昔からああで、よく学校に遅刻を」

くすくすとおかしそうに園原さんが笑う。
けれどすぐに、誤魔化すように小さく咳払いした。

「……いまの話はご内密に」

「わかりました」

こんな話は彼の名誉に関わるだろうから、聞かなかったことにしておく。

園原さんが淹れてくれた紅茶をリビングで飲んでいたら、古渡さんも身支度が終わったらしく寝室から出てきた。

「朝が弱いなんて意外です」

小さく笑ったら、少しふて腐れて彼が隣に座る。

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