彼が冷たかった理由。
「この前の本、面白かったです!」
「ふふ、でしょ?
私もあの本好きで、何度も読み返しちゃうんだ」
いつもと変わりないように接しようとするも、声のトーンは下がってしまう。
「...先輩、何かありました?」
「な、なにもないよ、なにもない...
ただちょっと小テストの点数悪くって」
「違いますよね、明らかに...。
最近隣に彼氏さんがいないのと、関係してますか」
「あ、あるわけないじゃん!
ていうか、彼氏って?
ごめんね私、あんまり覚えてなくて」
「いつ別れたんですか」
確信を持ったようで、彼はどんどん話を進める。
その質問に、どんどん心が抉られてしまう。
「わかんない、けど...
自然消滅みたい」
あははー、なんて、涙ぐんだ声で笑ってしまう。
「きっと、そもそも、好きなのは私だけになったんだと思う」
またね、なんて言って、校舎から出た。
辛い、苦しすぎる。
ごめんなさいって謝れなかった、自分が嫌になる。
どうして謝れなかったんだ、私。
次の日に謝ればよかったものを、私は悪くない、なんて強がるから。
「優愛」
ほら、こんな幻聴まで聞こえてしまう。
「ねぇ、優愛ってば!」
私がそれほど、依存してたから...!
「聞こえてるんでしょ、優愛!」
ガっと肩を掴まれ、後ろに引き寄せられる。
見上げると、私よりもずっと背の高い、渉がいた。
「っ、あ...」
「ふふ、でしょ?
私もあの本好きで、何度も読み返しちゃうんだ」
いつもと変わりないように接しようとするも、声のトーンは下がってしまう。
「...先輩、何かありました?」
「な、なにもないよ、なにもない...
ただちょっと小テストの点数悪くって」
「違いますよね、明らかに...。
最近隣に彼氏さんがいないのと、関係してますか」
「あ、あるわけないじゃん!
ていうか、彼氏って?
ごめんね私、あんまり覚えてなくて」
「いつ別れたんですか」
確信を持ったようで、彼はどんどん話を進める。
その質問に、どんどん心が抉られてしまう。
「わかんない、けど...
自然消滅みたい」
あははー、なんて、涙ぐんだ声で笑ってしまう。
「きっと、そもそも、好きなのは私だけになったんだと思う」
またね、なんて言って、校舎から出た。
辛い、苦しすぎる。
ごめんなさいって謝れなかった、自分が嫌になる。
どうして謝れなかったんだ、私。
次の日に謝ればよかったものを、私は悪くない、なんて強がるから。
「優愛」
ほら、こんな幻聴まで聞こえてしまう。
「ねぇ、優愛ってば!」
私がそれほど、依存してたから...!
「聞こえてるんでしょ、優愛!」
ガっと肩を掴まれ、後ろに引き寄せられる。
見上げると、私よりもずっと背の高い、渉がいた。
「っ、あ...」