彼が冷たかった理由。
「絶対優愛に冷たくしないって決めたのに...
でも優愛に近づく男に向かって怒鳴る訳にもいかないから」

つまりは、彼はただ抑えていただけらしい。
...なんとも遠回りな。

「好き、優愛。
もうこのまま抱きしめて連れ去りたいくらい」

ちゅ、と彼がおでこにキスをする。

「...金曜日だし、僕の家行こ?」

おねがい、なんて可愛くて甘ったるい声で言うものだから、許してしまう。

「うん...ごめんね、渉」

「優愛のそういう優しいところ、好きだよ」

ぎゅっと2人で抱きしめ合い、私達は渉の家へ向かった。
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