Tantalizing Love
隣をみると

彼が座っていた。


「勉強中?」


「あ、はい。テスト近いので」


そう言うと彼は私のテキストを覗き、


「ここわかんないの?」


と、テキストの問題を指さし聞いてきた。


「はい…。数学苦手で…」

恥ずかしいことに数学はテストで赤点ギリギリの点数しか取ったことがない。


「俺、数学得意だし教えてあげよっか?」


「えっ!?」


「これから仕事入ってるから今日は無理だからオフの日にでも教えてあげるよ」


すると


私のシャーペンをとり、ノートに何かを書き込んでいる様子。


「はいっ。この問題の解き方と俺の連絡先書いといたから連絡してね」

彼はそう言うと席を立ち上がって出口に向かって歩いていくと、

途中で私の方に振り返って
また
私が座っている席に戻ってきた。


「聞き忘れてたんだけど名前は?」

わざわざ聞くために戻ってきたと思ったら可愛くて少し笑ってしまった。

「結衣です(笑)」


「結衣ちゃんね!じゃ、またねっ!」

彼はそういうと店から出ていった。



私はバイトが終わり自室に入るとすぐにノートを開いた。

そこには彼が書いた少し汚い字。


なんて送ればいいんだろう…。


異性と連絡を取ったことない私には難しすぎる。


{こんばんは、結衣です。連絡先追加させて頂きました。}

送信ボタンを押すと一気に力が抜けてベッドに倒れ込んだ。


安心するのもつかの間。

ブブっと着信音がなり

スマホの画面を見てみると

彼からの返信が。


{こちらこそ追加ありがとう。明日バイトある?俺明日オフだから明日で良ければ教えるよ}


あ、明日!?


急いでスケジュール表を確認すると
奇跡的にバイトが休みだった。


{明日空いてます!}

そう返信すると
すぐに既読がつき、

{了解。明日14時からカフェで勉強でも大丈夫かな?}


{はい、大丈夫です!}


{おっけ。じゃ、また明日ね。おやすみ}


{おやすみなさい}


私はドキドキしながら眠りについた。
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