Tantalizing Love
ーーー次の日

ーーカランカラン。

「いらっしゃいませーって結衣?」


「こんにちは」



「今日バイト休みだよね?」


「はい。ちょっと約束があって」


私がそう言うと急にマスターはニヤニヤしだして

「もしかして後ろの人と?」


そう言われて振り返って見ると彼がいた。


「こんにちは」

彼はそう言ってマスターに会釈をした。

「じゃ、席に座ろっか?」


「あ、はいっ」


私は先に歩く逞しい背中について行った。

座るとすぐにマスターはコーヒーとラテをいれてきてくれ、彼との勉強会?がスタートした。


暫くして外が暗くなってきた頃

彼は沈黙を破り


「もう暗くなってきたから帰ろっか?」



「あっ、はい。出町さんわざわざ休みの日に教えてくれてありがとうございます」


「ううん。俺も1人が苦手だから一緒に入れてよかったよ」

そう言ってカフェを出て駅に向かおうとすると


「待って、送ってく」


右手首を掴まれた。

そのまま彼は歩き出し、車の助手席のドアを開けてくれた。


「どうぞ」


「あ、ありがとうございます」


そう言って乗ると
彼は嬉しそうに微笑んで
ドアを閉めて
運転席に乗り込んだ。
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