好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった

2人の先輩の会話

Side. MINATO



「おっはよ~」



『・・・はよ。
ノックしてから入れよ』



朝練してたら急に入ってきた藤枝に少しびっくりした。



「はは、えーじゃん。」



ちらっと時計を確認するとあと10分で1コマ目が始まる時間だった。



ピアノの上の譜面をまとめてカバンに詰め込む。
1コマ目は必須科目だから藤枝も行くだろう。



『そろそろ出るけど。』



「おう、一緒に行くぜ!」



こいつはいつも変わらない。
こうやって練習室を突撃されるのも、何の用がなくてもやるヤツ。



練習室の電気を消してるかに出る。
朝はまだ練習室もまばらに空いている。



「何階だっけ?」



『14』



エレベーターの上ボタンを押した藤枝は上機嫌に歌を歌い始めた。
クライスラーの愛の喜び?



ポーン 12階です
ゆっくりとエレベーターの扉が開く。



邪魔にならないように壁に寄ると見知った顔の彼女と目が合った。
< 13 / 34 >

この作品をシェア

pagetop