好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった

目指すもの

Side.KANADE



「ここの連符と入りが遅い。」



『あい。』



「あとここ、mp(メゾピアノ)
全力で吹きすぎ、盛り上がんの分かるけど譜面破り禁止だから。」



『はいー。』



うぅ厳しい。
私のクラリネットの先生より厳しいよ。



今日初めて先生の前で伴奏合わせをした。
その時は「今までで1番いい演奏でした。」ってニコニコしてたのに。
今は鬼のごとく厳しい表情で迫ってくる。



『あの優しい先生はどこへ!?』



「猫かぶってたに決まってんだろ。
どーでもいいこと言ってないでもう1回やる。」



その後休憩な。っと言ってからピアノを弾き始めた。



休憩って、まだやるの。
もう帰りたい。





「ん、いい感じになってきたんじゃん?」



『・・・・』




もう疲れて声も出ない。



「試験まであと1週間か。
まだまだ練習しないといけないとこあるけど
、まぁ間に合うでしょ。」
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