好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった
『得たものなんてない。』



私はバカだ。
嘘ついたって演奏を聞いたら分かること。



周りが頂点目指して練習してるのに私は『この辺でいいや』って。
それなのに結果が出たら違和感を残す。



「周りと比べてどうなるわけ?
カナデが目指してるのは何??」



私が目指してるもの・・・



『私は一回でもいいから全力でやってみたい。』



「ん、なら今それをやればいい。
周りがどこを目指してるかなんて関係ねーよ。
ってことで、連符とテンポ正確に練習。
10分後にもう一回合わせるから。」



「それまでに完璧にしとけ」っていってミナト先輩は部屋から出て行ってしまった。



『よしっ!』



リードを付け直して気合を入れた。
メトロノームをつけて練習だ!
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