好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった

ミナト先輩

「お、菅谷おつかれ!」



「おう、おつかれー。」



あ、たまに駅で見るバイオリンの先輩だ。
3年だったんだ。



「カナデ、もう帰り?」



『あ、はい。事務によってから帰ります。』



先生と一緒に帰れちゃったりするのかな。



「ふーん、何しに行くの?」



『伴奏要因頼もうと思って。』



本来なら同級生や先輩に頼まないといけないけど、伴奏者が捕まらなかった時に学校外部のピアニストに伴奏を頼むというシステムが伴奏要因。
プロのピアニストが弾いてくれるし、学校側が依頼をしてくれるから安心。



「伴奏要因?
俺がやってあげるよ、伴奏。」



『え?』



「前期の実技試験のでしょ?」



『そうですけど…悪いですよ。
1年の試験日は土曜で3年は違う日じゃないですか。』



「その日、譜めくりで行くし。」



『でも…』



先生に伴奏してもらうのとか恥ずかしい。
いや、高校の時演奏聞いてもらったけどその時は友達とお遊びみたいな感じだったし。
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