好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった
『ミナト先輩、私・・・』



「カナデ!泣いたって!!
なにイジメ?体調不良??なに!?」



ゆっくり頭を持ち上げようとしてたのに無理やり肩をつかまれてそのまま揺さぶられる。



『ちょ、ちょっと・・・
おぉちついてぇ』



こんな慌ててるミナト先輩見たことない。



服だってスーツのまま。
急いできてくれたんだ。



『ま、まず泣いてるってのはカノン先輩の嘘です。』



ついでに言うとレッスンっていうのも、とは言わないでおこう。



「は?え??
またアイツ・・・」



肩を話して頭をかき乱した先輩の頭の中にはさっきみたいに楽しそうに笑うカノン先輩が浮かんでいつのだろう。



『でも話したいことがあるんです。』



そっぽを向いたミナト先輩の手を取って練習室に連れ込む。
重いドアを閉めて先輩のほうに体を向ける。



『耳が聞こえないって本当ですか?』
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