好きになった先生は猫かぶりで腹黒な先輩だった
「今日、楽譜持ってる?」



『持ってます。』



「この後バイト?予定ある?」



『いや、なんもないです。』



「よし、部屋とってあるから少し合わせよう。」



え、伴奏するの決定なんですか!?



『え、あの本当にいいんですか?』



強引にエレベーターに乗せられる。
慣れた手つきで12のボタンを押して慌てる私を見てニコリと笑った。



「うん、だってカナデの伴奏してみたいし。
外部の人よりも内部で頼んだ方が伴奏合わせしやすいでしょ?」



まぁ、確かにそうだよね。
伴奏要因に頼むと、伴奏合わせは3回までって決まってるし。



『先生…』



「ん?」



『お願いします!』



「うん。とりあえず、」



12階です。



ドアがゆっくり開いて、夕日が綺麗に廊下を照らしている。



先生が先に降りて窓の枠に寄りかかった。
それはとても絵になる場面で私は思わず見とれてしまった。
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