大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
花嫁衣裳についてなど考えてもいなかったため、敏正さんに投げてしまった。
すると春江さんが満足そうに微笑んでいる。
「まあまあ、仲睦まじくてよろしいですわ」
「ち、違いますよ?」
「郁子、違うのか?」
「あっ、いえっ、えーっと」
とっさに返した言葉に敏正さんが鋭い指摘を入れてくるので、しどろもどろになる。
仲が悪いわけではないけれど、まだただの同居人という感じで、仲睦まじいと言われると違うような。
「郁子さま、照れなくても大丈夫ですのよ。この時期が一番楽しいのですから、うーんと惚気てくださいな」
「の、惚気て?」
春江さんは私たちが政略結婚だとは知らない。
敏正さんが折檻されていた私に偶然出会い拾ってきたものの、ここで生活を共にしていたら惚れ込み、とんとん拍子に結婚となったと思い込んでいるのだ。
すると春江さんが満足そうに微笑んでいる。
「まあまあ、仲睦まじくてよろしいですわ」
「ち、違いますよ?」
「郁子、違うのか?」
「あっ、いえっ、えーっと」
とっさに返した言葉に敏正さんが鋭い指摘を入れてくるので、しどろもどろになる。
仲が悪いわけではないけれど、まだただの同居人という感じで、仲睦まじいと言われると違うような。
「郁子さま、照れなくても大丈夫ですのよ。この時期が一番楽しいのですから、うーんと惚気てくださいな」
「の、惚気て?」
春江さんは私たちが政略結婚だとは知らない。
敏正さんが折檻されていた私に偶然出会い拾ってきたものの、ここで生活を共にしていたら惚れ込み、とんとん拍子に結婚となったと思い込んでいるのだ。