大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
裏切りは盲愛の証
それから三月(みつき)。
敏正さんと身も心もつながり、心が安定してきたおかげか、充実した毎日を送れている。
今日も春江さんと一緒に調理にいそしんだ。
「郁子さまは休憩してください。せっかく会社がお休みですのに」
「でも、この煮豆、敏正さんの好物なんですもの。春江さんこそお休みになって。働きすぎよ?」
彼の喜ぶ顔を思い浮かべると、どんなことでもできてしまう。
「私は女中ですよ? 働きすぎを叱られる家など知りません」
彼女は白い歯を見せる。
春江さんとこうして話しているのがとても楽しい。
母が早くに亡くなり寂しい思いもしたけれど、その穴を彼女に埋めてもらっているようだ。
彼女にとっても、私が流れてしまったお子さんの代わりになれていたらいいのだけれど。
「午後からはお買い物に行かれるんですよね?」
「うん。日本橋の百貨店にね」
敏正さんと身も心もつながり、心が安定してきたおかげか、充実した毎日を送れている。
今日も春江さんと一緒に調理にいそしんだ。
「郁子さまは休憩してください。せっかく会社がお休みですのに」
「でも、この煮豆、敏正さんの好物なんですもの。春江さんこそお休みになって。働きすぎよ?」
彼の喜ぶ顔を思い浮かべると、どんなことでもできてしまう。
「私は女中ですよ? 働きすぎを叱られる家など知りません」
彼女は白い歯を見せる。
春江さんとこうして話しているのがとても楽しい。
母が早くに亡くなり寂しい思いもしたけれど、その穴を彼女に埋めてもらっているようだ。
彼女にとっても、私が流れてしまったお子さんの代わりになれていたらいいのだけれど。
「午後からはお買い物に行かれるんですよね?」
「うん。日本橋の百貨店にね」