大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
敏正さんの新しいシャツを取りに行く予定だ。
家まで届けてもらうこともできるのだが、たまには出かけたいし……三谷商店のビルヂングも気になっている。
敏正さんの話では、かなりの勢いで建築が進んでいて、完成間近だとか。
以前の建築会社に任せたままだったら、ずるずると何年もかかっていただろうと聞いて、彼と津田紡績にお任せして本当によかったと思った。
「敏正さまが、郁子さまはいつも算術の本くらいしか買ってこられないと呆れていらっしゃいますよ。ご自分のお着物でもなんでも、そろえられてはいかがです?」
「着物はここに来たときにたくさんいただいたわ。それに、大福も買ってくるでしょう?」
私は大福で十分満たされている。
「あはは。そういえばそうですね。私の分までいつも申し訳ありません」
「敏正さんはあまり食べられませんもの。一緒に食べてくれる人がいてうれしいんですよ」
家まで届けてもらうこともできるのだが、たまには出かけたいし……三谷商店のビルヂングも気になっている。
敏正さんの話では、かなりの勢いで建築が進んでいて、完成間近だとか。
以前の建築会社に任せたままだったら、ずるずると何年もかかっていただろうと聞いて、彼と津田紡績にお任せして本当によかったと思った。
「敏正さまが、郁子さまはいつも算術の本くらいしか買ってこられないと呆れていらっしゃいますよ。ご自分のお着物でもなんでも、そろえられてはいかがです?」
「着物はここに来たときにたくさんいただいたわ。それに、大福も買ってくるでしょう?」
私は大福で十分満たされている。
「あはは。そういえばそうですね。私の分までいつも申し訳ありません」
「敏正さんはあまり食べられませんもの。一緒に食べてくれる人がいてうれしいんですよ」