大正蜜恋政略結婚【元号旦那様シリーズ大正編】
父と直接やり取りする機会はないが、泰子や貫一からはよくふみが届く。
父は毎日、仕事に勤勉に取り組んでいるようだし、ふたりはそれぞれ学校に楽しく通っているようで安心している。
それも全部敏正さんのおかげだ。
「今度会いに行こうかしら」
ふたりの顔を思い浮かべて、そんなことを考えていた。
ビルヂングを一周したあとは、日本橋の百貨店へ。
富裕層の奥さまたちが楽しそうに行き来している。
そんな中、私は懇意にしている洋服売り場に一直線。
この売り場には敏正さんの寸法の記録があり、いつも背広やシャツを作ってもらっているのだ。
「津田さま、いらっしゃいませ」
店先で丁寧に出迎えられて気圧される。
店内に足を踏み入れたら逃がさないというような雰囲気が、私は少し苦手なのだ。
父は毎日、仕事に勤勉に取り組んでいるようだし、ふたりはそれぞれ学校に楽しく通っているようで安心している。
それも全部敏正さんのおかげだ。
「今度会いに行こうかしら」
ふたりの顔を思い浮かべて、そんなことを考えていた。
ビルヂングを一周したあとは、日本橋の百貨店へ。
富裕層の奥さまたちが楽しそうに行き来している。
そんな中、私は懇意にしている洋服売り場に一直線。
この売り場には敏正さんの寸法の記録があり、いつも背広やシャツを作ってもらっているのだ。
「津田さま、いらっしゃいませ」
店先で丁寧に出迎えられて気圧される。
店内に足を踏み入れたら逃がさないというような雰囲気が、私は少し苦手なのだ。