Dear boy,Dear girl~ワケあり男子と秘密の同居生活~
「あ、だれー?」

優が奥村くんを見て言った。

「奥村くん…」

「パパー。」

慧が荻野先生の方へ駆け寄って膝にちょこんと座った。

「慧おかえり。」

荻野先生が慧の頭をなでなですると嬉しそうに笑ってる。

奥村くんはわたしを見てから、ほっとしたような表情をして、そのあと深雪先生にきちんと挨拶してる…

「奥村がこの2日間、ミスばっかりするから連れてきたよ。華菜。」

「え?」

「まったくプレーになってない。これじゃウインターカップではつかえないからな。」

荻野先生が困ったなって顔して言うと奥村くんが立ち上がった。

「華菜…ウチに戻ってこいよ…。」

そして、真剣な目でわたしを見た。

「え?あ…えっと…」

「ねぇ。」

わたしがいいにくそうにしてるとさすが…深雪先生が助け舟を出してくれた。

「2人とも、夕飯できるまでそのへん散歩してきなよ。ね。」

「そうだな。」

荻野先生もそう言うので、2人して外に出るわたしたち…。

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