Dear boy,Dear girl~ワケあり男子と秘密の同居生活~
「ついでにここテーピングまいてくれない?」

「え?あ、はい。」

敬語を使うのは、やっぱり礼儀だと思うから…
いくら隆哉でも部活内では先輩だから、敬語だよ。それは。

わたしは隆哉の示す位置にテーピングをまいた。

「手首痛めたんですか?」

「うん。ウインターカップでちょっとね。もうほとんどいいんだけど。」

そうなんだ…。知らなかった。
全然練習では出さないよねそういうの。相変わらず。

「はい。どうぞ。巻き終わりました。」

「相変わらずうまいね。テーピング。華菜のはかっちりぴったり仕上がるから好きだわ。」

「……」

どう反応したらいいか困る…。

隆哉はテーピングをまいた手首を確認しながら、部室を出た。

「華菜も戻ろう。」

「はい。」

そして部室を出て体育館に戻る。

< 213 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop