Dear boy,Dear girl~ワケあり男子と秘密の同居生活~
「昔のカレシだか何だか知らないけど、いまだに楽しそうに話してたじゃん。昨日も。そういうのやめたほうがいいと思うよ。あんたの思い上がりだよね。直登のことバカにしてる。」

さくらはキッと目を見開くと、華菜をにらんで早口で言った。

華菜は…
目を見開いて聞いていたけど、そのまま俺に視線を移し、少し眉間にしわを寄せると、

「ごめん。帰るね。」

と言って、突然部屋の扉を開けて走り出した。

「おいっ!華菜!」

まずい。こんな展開。
俺は…こんなの望んでない。

追いかけていこうと立ち上がったら、翔真が華菜の荷物を渡してくれた。

「忘れんなよ。」

「おー。サンキュ。」

翔真に手をあげ、荷物を受け取ると、俺も走った。

華菜は速い。
俺だって本気で走らねーと追い付かない。

本気出して走って…やっと華菜に追いついた。

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