完璧カノジョの裏の顔

いじめ

その後、兄たちは出かけて行き、カリアも帰っていった。カリアに送ってもらって本当に良かった。1人で兄とあの女に鉢合わせていたらと思うとぞっとする。
私はほっとした気持ちで自分の部屋に入った。しかし、部屋の有り様を見て愕然とした。

荒らされてる…
またあの女…

私はため息をつきながら部屋を片付け始めた。

「あらあら可哀想。一体誰がこんなことしたのかしらねぇ…」

突然聞こえたその声に振り返ると、部屋の入り口の所であの女が私を見下ろして笑っていた。

「…兄と出掛けたんじゃなかったんですか？」

私が呆れた口調でそう尋ねると女はフッと笑って私の部屋に入ってきた。

「アヤトには忘れ物したって言って車で待ってもらってるわ。それより…私、あなたに大事な話があるの。」

「…はい？」

この女の事だからどうせまたこの家を出ていけとかそういう話をするんだろうな…
私は女に軽蔑の視線を向けた。