完璧カノジョの裏の顔
「だ…誰だお前!?」

自分が殺しかけた妹が足元で咳き込んでいるのを無視して兄は男の人に怒鳴った。

「隣に住んでる(じん)の息子だよ。女のヒステリックな声…多分そいつか?」

そう言って男の人…神さんはあの女を指さした。

「そいつとお前の声がうるさかったから注意しに来たら玄関開いてたからな。一応チャイム鳴らしたんだけど聞こえなかったか?」

ため息混じりに兄に尋ねる神さん。それを聞いてやっと我に帰ったのか兄は神さんに頭を下げた。

「うるさくしてしまって申し訳ありませんでした!全部この出来損ないの妹のせいでして…」

どうしてくれるんだと言わんばかりに顔を真っ赤にしながら兄は私を睨みつけ、指差した。私は兄から目を逸らし神さんの方を見ると、神さんは私の顔をじっと見ていた。

私のせいで騒ぎになったと勘違いされたかな…?

私はとりあえず謝っておこうとした。が、

「お前さぁ、自分のしでかした事妹のせいにするとかとんだクズ野郎だな。」

神さんの予想外の発言に私は思わずえっ?と言ってしまった。
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