完璧カノジョの裏の顔

突然彼女の口調が冷淡になった。
そしていきなり突きつけられた意味のわからない要求…

「え…？」

「聞こえなかった？高校卒業したらこの家出てけって言ってんの。」

「な…なんでそんな…」

私には全く理解できない。
しかし、彼女はそんな私を無視して続ける。

「当たり前でしょ？あんた、今アヤトに養ってもらってるのよね？私、近々アヤトと結婚するのよ。それなのにあんたが居たら邪魔でしょ？高校卒業するまで待ってあげるんだから感謝して欲しいくらいだわ。」

「いや、待ってください！それ…兄が決めたんですか？私をこの家から追い出すって…」

兄からは何も聞いていない。というより、両親が亡くなった時、兄は自分から、私を施設に入れずに養ってくれることに決めてくれたのだ。それなのにいきなりこんな事…兄が言うわけない。

「…アヤトはねぇ…毎晩私に言ってるわよ。『妹さえいなければ今すぐにでも結婚できるのに』『なんであんな可愛くもない妹施設に入れずに引き取ってしまったんだ』…ってね。」