完璧カノジョの裏の顔

親友

「えぇ?!何それその女!最悪…てか…お兄さんもお兄さんだよ!なんでミクノよりその女の事信じ切ってるわけ?!」

私の一番の親友である桃瀬華李彩|《モモセ カリア》は私から事情を聞くなり怒りを露わにした。カリアとは同じ中学出身で家も近い。高校は別々になってしまったけど今でも変わらず交流がある。

「うん…お兄ちゃん、あの人のことしか見えてないみたい。」

私はカリアのお母さんが出して下さったクッキーを頂きながらため息混じりに言った。

「あーもー!!なんなのお兄さんといいその女といい!!美人ならいじめしてもいいと思ってんじゃねえよ!私がミクノのお兄ちゃんだったら妹いじめる彼女なんか美人だろうが即別れるわ!ミクノ、今日ウチに泊まって良いからね?」

カリアの温かい両手が私の両手を包み込んだ。その瞬間、私の両目から大粒の涙が溢れ出た。あの女の前では絶対泣かないと決めていたから、ずっと涙を堪えていたから、一度溢れ出た涙は止まらなかった。

「ちょ、ちょっとミクノ?大丈夫??…よーしよし!ミクノはよく頑張った!偉いよ〜!!」

そう言って私の頭を優しく撫でてくれるカリア。私は涙を拭って笑ってみせた。
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