囚われのお姫様
なんだ、もっと褒めてくれるかなって思ったけどお話がそれちゃった。


『なあに?』

『大きくなったら、結婚しよう!』


男の子は私の手を握り、ぱあっと明るく笑いそう言った。

同じクラスの、大人しくて外遊びもあまりしない泣き虫な子の勇気を振り絞った告白。


『いいよ!』


断ったら可哀想、なんて安直な考えが私にそう言わせたのだ。


『ぼく、もっともっと美波ちゃんにふさわしい男になって、お迎え行く!だから待っててね』


そこで私たちはわかれた。

この辺に小学校はひとつしかないし、この幼稚園の子はほぼみんなその小学校へ行く。

でも、私だけはそこにいけない。

”のうりょくしゃ”だから。普通じゃないから。

みんなと同じ学校に行けないし、パパとママとも暮らせないし……この男の子とも一緒にいれない。

知らないところに一人で行くのはとっても怖かったから、この子のそんな言葉が私にとってすごく嬉しかったんだ。

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私が運命の王子様と出会った次の日。

え、パンツみられたけどいいのって?

いいの!!
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