囚われのお姫様
昼休みの今も、みなっちゃんを探して廊下を歩いている。

この前見たく変な男に絡まれてたら大変だもんな!

そら、あんな風に……。

って、まじか。

廊下の人気のない端っこ。

3人ほどの男が1人の女の子を囲み、なにやら少し揉めているよう。


「こ、困ります……! 女子は男子寮には入れません」

「いいじゃーんちょっとくらい!」

「バレないって!」

「多香音(たかね)ちゃんは真面目だね〜」


男たちの背がでかくて真ん中にいるであろう女の子がよく見えない。

が、声からしてめっちゃ困ってるのはわかる。

俺っちは困った女の子を放っておけねんだよな〜。


「うぃーっす。この子、困ってるっぽいよ?」

「「「あ?」」」


ナンパ男たちをよけ、女の子を男たちから隠すようにしてそう言ってやる。

突然現れた俺に唖然とする男たち。


「……てあんた、1年の!」

「本校1チャラいって有名な……!」

「綾羅木じゃねーか」

「え、俺っちそんな有名な感じなの?」


有名無名はまあどうでもいいんだけどよ。


「女の子困らせちゃダメっしょ」

「「「どの口が言ってんだか……」」」
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